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107号 そして神戸
疑問75 公開テストの申込受付期間
ほんの一部のTOEIC受験者が抱いている愚問があります。数年前から安定していた「ある設定」に突然変異が起きたからです。
それは「申込期間」です。
第153回(2010年3月実施)を例にすると、インターネット経由の申込期間は、2010年1月5日(火)に始まり、2月2日(火)の正午が締め切りです。郵送だと前日の2月1日の月曜が締め切り日です。
2010年のスケジュールによれば、インターネット経由ですと締切日の基本が火曜になっています。第158回(2010年10月実施)は水曜ですが、連休の影響だと思われます。
以前は木曜が基本でした。郵送での締切は前日の水曜。
なぜ、締切日は木曜から火曜に変わったのか。
知りません。
それは「申込期間」です。
第153回(2010年3月実施)を例にすると、インターネット経由の申込期間は、2010年1月5日(火)に始まり、2月2日(火)の正午が締め切りです。郵送だと前日の2月1日の月曜が締め切り日です。
2010年のスケジュールによれば、インターネット経由ですと締切日の基本が火曜になっています。第158回(2010年10月実施)は水曜ですが、連休の影響だと思われます。
以前は木曜が基本でした。郵送での締切は前日の水曜。
なぜ、締切日は木曜から火曜に変わったのか。
知りません。
第6回の指導者養成講座
TOEICを教えている人や英語教師に、効果的な教え方をお伝えする研修をボクは年に数回実施しています。そのうち1回は、ロバート(ヒルキ先生)と一緒にやっている4日間の研修です。
TTTと呼ばれているこの研修では、スコアの上げ方をはじめとするテストに関する情報も扱うと同時に「問題作成の技術」や「信用される話し方」などにも多くの時間を割きます。そういう話をする以上、ロバートとボクは自分たち自身のスキルを高いレベルで見せる必要があるため刺激的であり楽しいです。
参加者の声
タイトルは「スコアアップ指導者養成講座」ですが「養成する」という意識はボクにはありません。ロバートとは、いつも「参加者から学ぶことが多いねぇ」と話しています。
この研修に参加する方々の目的は、おもに生徒のスコアを上げることですが、ご自身がテストに対する知識を深めることで、990をはじめとする高いスコアを取得するケースが目立っています。さらに、卒業生には多くの活躍の舞台が用意されますので、執筆や講師、カウンセラーなどの仕事を得た実績も多いです。岩重さんは問題集の、林さんは月刊誌の特集記事の執筆を担当されました。
TTTと呼ばれているこの研修では、スコアの上げ方をはじめとするテストに関する情報も扱うと同時に「問題作成の技術」や「信用される話し方」などにも多くの時間を割きます。そういう話をする以上、ロバートとボクは自分たち自身のスキルを高いレベルで見せる必要があるため刺激的であり楽しいです。
参加者の声
ご指導いただきましたヒルキ先生、前田先生、そしてこのユニークで貴重な研修を開催してくださったアルクの関係者の皆様にお礼申し上げます。本当にお世話になりました&ありがとうございました。
2度目の今回は、前回、この講座を受講した当時からの大学でのTOEIC講座を担当してみたいという希望がやっと叶い、4月から担当する事になり、ブラッシュアップを目的とした参加でした。結果、ブラッシュアップのみならず、また新しい様々な体験をさせていただいた4日間になりました。前回は経歴も英語力も素晴らしい先輩方に囲まれ、すっかり萎縮して、十分な発言もできず、人から様々なものを貰うだけで、なにも自分からgive出来なかったこと反省点だったので、今回は積極的に行く事と、少しは他の人にも何かを残せれば、が目標でした。
結果としては、今回も前回以上にカリスマ的魅力をお持ちだったり、大変詳しい情報と分析力をお持ちだったりと、まぶしい人々に囲まれ、再び自分の器の小ささと、情けなさに小さくなりがちでしたが、自分なりには発言もし積極的に参加できたのではないかと思っています。特に、現在教える立場にいないにも関わらず、すでに満点を数度取られて、それぞれの手法でTOEICを分析し、情報を発信している人たちの存在は、非常に刺激となりました。ちょっと、刺激になりすぎて、また自分の力不足にため息もついてしまいましたが。私がこうして得てきた情報や、多くの素晴らしい参加者の皆さんに接して得てきた事が、私の授業を通して生徒たちに役にたつのだから、それはそれで十分に価値のあることだ信じています。また、その様に出来るようにこれからも努力したいです。
参加者の業種や現場がバラエティに富んでいて、それらそれぞれの特色を持った模擬授業を拝見する事が出来たのは、とても貴重な体験でした。もともと、なかなか他人の講義を見るチャンスはありませんが、特に異業種の方となればなおさらです。まったく異なる視点から取り組まれる授業のアイディアには、自分には想像が出来なかったけれども、取り入れることが可能なアイディアも多く含まれ、新年度からのクラスにどのように取り込んでいこうかと考えるのがとても楽しいです。本当にユニークな研修なので、今後もこの研修が続く事を願っています。そして、また機会があれば参加したいと思っています。(岩重理香さん)
約1年前ぐらいにTTTのOne Dayセミナーに参加させていただいて、その時、このセミナーは本来4日間セミナーであるということを知りました。そこで、これまでずっとこの4日間セミナーへの参加のタイミングをうかがっていたのですがここへ来てちょうど参加できるタイミングとなったため今回参加させていただきました。今回、私は主に「アイテムライティング」スキルを学びたいと思い参加させていただいたのですが、このアイテムライティング講座が予想以上の質の高さでビックリでした。(中略)また、アイテムライティングの他、もうひとつ特別印象に残ったものとして、各グループに分かれて行ったワークショップ、その中でもPractice Teachingの経験が私にとって非常に価値のあるものとなりました。参加者みなさんのレベルの高い、時にはユニークなTeachingスタイルを見ることができたのは将来英語・TOEIC講師になることを考えている私にとって今後の人生きっとどこかで役に立つことと思っています。
また次回、TTTがいつか開催されることと思いますがそのときにはタイミングが合えばまた参加させていただきたく思っております。このたびは計4日間、いろいろとお世話になりました。(林智憲さん)
タイトルは「スコアアップ指導者養成講座」ですが「養成する」という意識はボクにはありません。ロバートとは、いつも「参加者から学ぶことが多いねぇ」と話しています。
この研修に参加する方々の目的は、おもに生徒のスコアを上げることですが、ご自身がテストに対する知識を深めることで、990をはじめとする高いスコアを取得するケースが目立っています。さらに、卒業生には多くの活躍の舞台が用意されますので、執筆や講師、カウンセラーなどの仕事を得た実績も多いです。岩重さんは問題集の、林さんは月刊誌の特集記事の執筆を担当されました。
DF新宿
メルマガ読者限定のセミナー「ダッシュ・フォーラム」の第15回目が開催されました。
DF新宿
日時:2009年12月20日(日)13:30〜16:30
会場:マイスペース新宿区役所横店
ご感想が届きました。
懇親会も実施しました。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
DF新宿
日時:2009年12月20日(日)13:30〜16:30
会場:マイスペース新宿区役所横店
ご感想が届きました。
先生の英語学習への取り組みが、わかってとても参考になりました。とんでもなく変わった取り組みでなかったので、なんとなく自分にもできそうな気がしました。
良かったセッション
セッション6
自分自身の性格の特徴についての気づきがあったから。固定観念にとらわれていて、幅広い展開ができないこと、自分の特異分野に持ち込むような強引なストーリー展開をするというやり方もあったことに気が付かなかったことなど
今回のフォーラムを通して分かったこと:
英語に(学び一般に)画期的な方法なんてないんだということ。ひたすら地道に努力しかないんだということ。長く続けられるのはその対象を本当に好きだという気持ちであること。もともとそうだと思って一人で勉強していましたが、これらを確信できました。このことを肝に銘じながら、(ちまたのくだらない情報に流されないようにします)いろいろと学び続けるつもりです。ありがとうございました。(D.T.さん)
「3.ヒストリー」で前田先生がどのようにして、今の英語力を身につけられたのかを知れてとてもよかったです。「6.第五の技能」でまずはロジックありき、のご意見もっともだと思いました。
懇親会も実施しました。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
106号 90パーセントの意味
疑問74 低い英語力が高いスコアを招く理由
TOEICは基本的には英語力を測定し、それを合計スコア10から990で示します。よって、英語力が高ければ高いほど、スコアは990に近くなると言えます。
ところが、英語力が低ければ低いほどスコアが10に近くなるとは言えません。むしろ、一定のレンジにおいては「英語力が低い方がスコアは高くなる」のです。
第150回の公開テスト(2009年10月)では、ボクのスコアはこうなりました。
リスニング:110
リーディング:85
これは「英語力がゼロ」の状態で受験しても取得できるスコアです。なぜなら、ボクはすべての問題を「適当に」解答したからです。ざっくり200を基準値だとすると次の2つを導くことが可能です。
・ゾーン1
スコア 200 <-----------------------> 990
英語力 低 <-----------------------> 高
・ゾーン2
スコア 10 <-----------> 200
英語力 高 <-----------> 低
例えば、スコアが100の人と200の人を比べると、前者は後者より英語力が高いことが推測できます。その理由はアイテムライティング(問題作成)の原則に関係しています。
大まかに言えば、問題作成者は不正解の選択肢を「誰かが選びたくなるように」作ります。「誰か」というのは、そのアイテムを正解するための十分な英語力がない人です。ただし、選択肢は英語で書かれるので「選択肢をまったく理解できない人」のことは想定しません。「選択肢をある程度は理解できるが、十分には理解できない人が選びたくなるような不正解」を作るのです。
パート2を例にしましょう。
Is this your jacket? という質問を作ったとします。
(A) Where did you find it?
(B) No. I saw your jacket over there.
積極的に(B)を選ぶ受験者は必ずいます。問題作成者が、質問と選択肢を少しは理解できた人を想定しているということです。しかしながら、質問も選択肢もまったく理解できない人は、まったく理解していないがために、(B)を含めて、どの選択肢も積極的に選ぶことはできず、適当に選ぶしかありません。適当に200問を解答したら「基準値」である200点を取ります。
積極的に不正解を選べる人と、すべて適当に解答するしかない人を比べると、前者の方が英語力が高いと言えるはずです。ところが、スコアは正答数をベースに算出されますので、前者のスコアは後者と比べると低くなります。
麻雀をするたびに「振り込み」まくって負ける人がいます。懸命に考えてから牌を捨てている人もいるでしょう。選んではいけないものを選び捨ててしまう。振り込む。負ける。冷静に考えれば「相手が欲しい牌」を選ぶのが上手いわけです。であれば、選んだ後で「捨てる」決断さえしなければ振り込み率は下がるはずです。実力を高めるつもりがなく、振り込み率を下げたいならば、自分の決断に従わないことがその方法です。TOEICに当てはめると、全力を出して200点を取ることができないならば、「しっかり考えたうえで自分が正解だと思った選択肢をマークしない」ことでスコアを上げることができます。そんなことが必要な受験者は少ないでしょうが。
ところが、英語力が低ければ低いほどスコアが10に近くなるとは言えません。むしろ、一定のレンジにおいては「英語力が低い方がスコアは高くなる」のです。
第150回の公開テスト(2009年10月)では、ボクのスコアはこうなりました。
リスニング:110
リーディング:85
これは「英語力がゼロ」の状態で受験しても取得できるスコアです。なぜなら、ボクはすべての問題を「適当に」解答したからです。ざっくり200を基準値だとすると次の2つを導くことが可能です。
・ゾーン1
スコア 200 <-----------------------> 990
英語力 低 <-----------------------> 高
・ゾーン2
スコア 10 <-----------> 200
英語力 高 <-----------> 低
例えば、スコアが100の人と200の人を比べると、前者は後者より英語力が高いことが推測できます。その理由はアイテムライティング(問題作成)の原則に関係しています。
大まかに言えば、問題作成者は不正解の選択肢を「誰かが選びたくなるように」作ります。「誰か」というのは、そのアイテムを正解するための十分な英語力がない人です。ただし、選択肢は英語で書かれるので「選択肢をまったく理解できない人」のことは想定しません。「選択肢をある程度は理解できるが、十分には理解できない人が選びたくなるような不正解」を作るのです。
パート2を例にしましょう。
Is this your jacket? という質問を作ったとします。
(A) Where did you find it?
(B) No. I saw your jacket over there.
積極的に(B)を選ぶ受験者は必ずいます。問題作成者が、質問と選択肢を少しは理解できた人を想定しているということです。しかしながら、質問も選択肢もまったく理解できない人は、まったく理解していないがために、(B)を含めて、どの選択肢も積極的に選ぶことはできず、適当に選ぶしかありません。適当に200問を解答したら「基準値」である200点を取ります。
積極的に不正解を選べる人と、すべて適当に解答するしかない人を比べると、前者の方が英語力が高いと言えるはずです。ところが、スコアは正答数をベースに算出されますので、前者のスコアは後者と比べると低くなります。
麻雀をするたびに「振り込み」まくって負ける人がいます。懸命に考えてから牌を捨てている人もいるでしょう。選んではいけないものを選び捨ててしまう。振り込む。負ける。冷静に考えれば「相手が欲しい牌」を選ぶのが上手いわけです。であれば、選んだ後で「捨てる」決断さえしなければ振り込み率は下がるはずです。実力を高めるつもりがなく、振り込み率を下げたいならば、自分の決断に従わないことがその方法です。TOEICに当てはめると、全力を出して200点を取ることができないならば、「しっかり考えたうえで自分が正解だと思った選択肢をマークしない」ことでスコアを上げることができます。そんなことが必要な受験者は少ないでしょうが。
疑問73 情報リテラシーと忘却曲線
「忘却曲線」とは、エビングハウスという、100年前に他界したオッサンによって導かれた曲線です。いろんな場面で引用され、簡単に言えば「人は覚えたものをどれくらい忘れるか」を示しています。
20分後 42パーセントを忘れる。
60分後 56パーセントを忘れる。
1日後 74パーセントを忘れる。
1週間後 77パーセントを忘れる。
「ほら、こんなに速く忘れるってことは、今日覚えた100の単語のうち70以上は明日までに忘れるんですよ。だから明日が来る前に復習してね」といった具合に引用されることもあるでしょう。
こういうデータや著名人による発言、新聞に掲載された情報などを見たら、すぐに信じる人がいますが、何でも信じるようでは損することはあっても得することはあまりありません。情報というものは、特に新聞やテレビなどメディアによって流される場合はバイアスがかかっていることが多いからです。もちろん、バイアスがかかっていない場合もあるでしょう。ですから、真実がどうであれ、情報を適切に読み取ろうとする姿勢や、それができる能力は重要です。特に、いい加減な情報の宝庫であるインターネットが普及した今の時代には必須と言える能力です。この能力は情報リテラシーと呼ばれます。
情報リテラシーの向上には訓練が必要です。誰にでも練習できることですが、普段から意識的にやっている人は少ないと思われます。
最も簡単な訓練方法は「自分が目にした情報を疑ってみる」ことです。たとえ信じたいことだとしても、とりあえず疑ってみる。疑う方法はいろいろあります。
最初のステップは「事実と意見」を分離することです。
事実の部分に対しては「前提は何か」「証拠はあるのか」「信憑性があるのか」という視点で検証し、さらに「自分に当てはまるのか」という自問自答をすることが大事でしょう。
意見を疑う方法は「主張や結論」「証拠や理由」「論拠」を分離することから始まります。
「ほら、こんなに速く忘れるってことは、今日覚えた100の単語のうち70以上は明日までに忘れるんですよ。だから明日が来る前に復習してね」という発言は「意見」です。結論は「復習してね」ですが、その前に「70以上を忘れる」という部分も何らかの理由で導かれる結論と言えます。
証拠:君たちは、今日、100の単語を覚えた
論拠:人は覚えたことの70パーセントを1日後に忘れている(エビが立証)
主張:今日覚えた単語の70パーセントを忘れる(だから復習しろ)
疑ってみます。まずは、「事実」から。忘却曲線の「前提」はこういうものです。エビおじさんがしたことは「覚えたものをどれくらい忘れるか」という実験です。覚えたものは「子音・母音・子音から成り立つ意味のない音節」です。dekやkovなどでしょう。そういうものを記憶して、経過時間と再生率を調べました。証拠は、世の中に出回っているグラフがあります。信憑性は、きっとあるのでしょう。エビおじさんは心理学者ですので、それなりに妥当な方法で実験を行ったでしょうし、実験結果を捏造した可能性は低いと思われます。それに、彼がウソつきジイサンだったとしたら、死後100年が経過してから引用されることはないでしょう、きっと。「事実」の部分については、あまり疑う余地はなさそうです。
次に「意見」です。エビおじさんの実験では、dekやkovなど無意味なものが覚えられました。「君たちは、今日、100の単語を覚えた」という証拠自体は正しくても、エビおじさんの実験内容を当てはめることが妥当とは言えません。なぜなら「単語を覚える」とは、無意味な3文字の音節を覚えることではなく、一般的に言えば「ある言葉と、別の言語におけるその言葉の近似値を覚える」ことだからです。エビちゃんの実験を論拠として使うことが妥当である、という積極的な証明がない限りは、証拠から主張を導くことはできないのです(ただし、個人的な経験から、ある言葉と、別の言語におけるその言葉の近似値を覚える行為は、無意味な3文字の音節を覚えることに近いと判断していますので、ほかの覚え方と比較すれば効果の小さい行為だと思っています)。
信憑性が低い情報が氾濫する時代だからこそ、情報リテラシーは非常に重要です。ちゃんと自分の頭で考える訓練をしなければ、自分が望む、または必要とする情報を得ることができないどころか、有害な情報を取り込むことになります。
情報リテラシーに直接は関係ないことですが「論理を重んじる」ことが、その能力に間接的に影響します。
一般的に、日本人の使う日本語には論拠が足りないことが多いです。論拠とは「証拠と主張をつなぐもの」ですから、論理構造の根幹をなす部分です。論拠を明示しない発言が多い理由は、おそらく、日本の歴史や文化を考えると「言葉にしなくても互いに共有していること」が多かったからでしょう。ですから、目の前にある証拠だけを根拠に結論を導いても他人から疑われることが少なかったのだと思われます。「1を聞いて10を知る」という表現が存在することからも、そう察することができます。
ところが、そういう国は世界には少ないのが現実です。アメリカやドイツは極端に言えば「1を聞いて1を知る」文化ですから、伝えたいメッセージをすべて言葉に変えて伝えることが当たり前とされています。結果として、意見を述べたり、何かを主張する場合には、そのサポートとして証拠や理由、論拠を一緒に述べることが当たり前です。もちろん、すべての人がそうしているとは思いませんが、少なくともそれが「標準」なのです。「昨夜の映画どうだった」という、なんてことない質問に対しても、英語のネイティブスピーカーは、I liked it because ... と、結論と理由をセットで述べる傾向が強いですし、相手に「なぜ」という質問をすることは、ごく普通の行為であることは間違いありません。ロバート(ヒルキ先生)によれば、英語はspeaker-responsible languageですので、自分のメッセージを相手が理解しなければ、その責任は自分にあります。よって、自分が理解できないことがあれば、それについて相手に確認したり反論したりすることは当然のこととされます。むしろ、聞き手の義務とも言えるでしょう。
よって、日本人が英語を学び、英語を母国語とする人々とコミュニケーションをするならば「相手が理解しやすいように伝える」能力、そして自分が理解できないことについては「相手に質問したり反論したりする」能力も重要です。それらは「英語力」に内包されるべき力です。たまたま日本人の多くには論理や理由をあまり重んじないコミュニケーションをする傾向がありますので、英語を学びながら日本語でそれらの力を伸ばす訓練をすることが、結果として英語力の向上に役立つでしょう。そもそも日本語が下手なら、英語だけ上手になるという現象は想像しにくいですし。
20分後 42パーセントを忘れる。
60分後 56パーセントを忘れる。
1日後 74パーセントを忘れる。
1週間後 77パーセントを忘れる。
「ほら、こんなに速く忘れるってことは、今日覚えた100の単語のうち70以上は明日までに忘れるんですよ。だから明日が来る前に復習してね」といった具合に引用されることもあるでしょう。
こういうデータや著名人による発言、新聞に掲載された情報などを見たら、すぐに信じる人がいますが、何でも信じるようでは損することはあっても得することはあまりありません。情報というものは、特に新聞やテレビなどメディアによって流される場合はバイアスがかかっていることが多いからです。もちろん、バイアスがかかっていない場合もあるでしょう。ですから、真実がどうであれ、情報を適切に読み取ろうとする姿勢や、それができる能力は重要です。特に、いい加減な情報の宝庫であるインターネットが普及した今の時代には必須と言える能力です。この能力は情報リテラシーと呼ばれます。
情報リテラシーの向上には訓練が必要です。誰にでも練習できることですが、普段から意識的にやっている人は少ないと思われます。
最も簡単な訓練方法は「自分が目にした情報を疑ってみる」ことです。たとえ信じたいことだとしても、とりあえず疑ってみる。疑う方法はいろいろあります。
最初のステップは「事実と意見」を分離することです。
事実の部分に対しては「前提は何か」「証拠はあるのか」「信憑性があるのか」という視点で検証し、さらに「自分に当てはまるのか」という自問自答をすることが大事でしょう。
意見を疑う方法は「主張や結論」「証拠や理由」「論拠」を分離することから始まります。
「ほら、こんなに速く忘れるってことは、今日覚えた100の単語のうち70以上は明日までに忘れるんですよ。だから明日が来る前に復習してね」という発言は「意見」です。結論は「復習してね」ですが、その前に「70以上を忘れる」という部分も何らかの理由で導かれる結論と言えます。
証拠:君たちは、今日、100の単語を覚えた
論拠:人は覚えたことの70パーセントを1日後に忘れている(エビが立証)
主張:今日覚えた単語の70パーセントを忘れる(だから復習しろ)
疑ってみます。まずは、「事実」から。忘却曲線の「前提」はこういうものです。エビおじさんがしたことは「覚えたものをどれくらい忘れるか」という実験です。覚えたものは「子音・母音・子音から成り立つ意味のない音節」です。dekやkovなどでしょう。そういうものを記憶して、経過時間と再生率を調べました。証拠は、世の中に出回っているグラフがあります。信憑性は、きっとあるのでしょう。エビおじさんは心理学者ですので、それなりに妥当な方法で実験を行ったでしょうし、実験結果を捏造した可能性は低いと思われます。それに、彼がウソつきジイサンだったとしたら、死後100年が経過してから引用されることはないでしょう、きっと。「事実」の部分については、あまり疑う余地はなさそうです。
次に「意見」です。エビおじさんの実験では、dekやkovなど無意味なものが覚えられました。「君たちは、今日、100の単語を覚えた」という証拠自体は正しくても、エビおじさんの実験内容を当てはめることが妥当とは言えません。なぜなら「単語を覚える」とは、無意味な3文字の音節を覚えることではなく、一般的に言えば「ある言葉と、別の言語におけるその言葉の近似値を覚える」ことだからです。エビちゃんの実験を論拠として使うことが妥当である、という積極的な証明がない限りは、証拠から主張を導くことはできないのです(ただし、個人的な経験から、ある言葉と、別の言語におけるその言葉の近似値を覚える行為は、無意味な3文字の音節を覚えることに近いと判断していますので、ほかの覚え方と比較すれば効果の小さい行為だと思っています)。
信憑性が低い情報が氾濫する時代だからこそ、情報リテラシーは非常に重要です。ちゃんと自分の頭で考える訓練をしなければ、自分が望む、または必要とする情報を得ることができないどころか、有害な情報を取り込むことになります。
情報リテラシーに直接は関係ないことですが「論理を重んじる」ことが、その能力に間接的に影響します。
一般的に、日本人の使う日本語には論拠が足りないことが多いです。論拠とは「証拠と主張をつなぐもの」ですから、論理構造の根幹をなす部分です。論拠を明示しない発言が多い理由は、おそらく、日本の歴史や文化を考えると「言葉にしなくても互いに共有していること」が多かったからでしょう。ですから、目の前にある証拠だけを根拠に結論を導いても他人から疑われることが少なかったのだと思われます。「1を聞いて10を知る」という表現が存在することからも、そう察することができます。
ところが、そういう国は世界には少ないのが現実です。アメリカやドイツは極端に言えば「1を聞いて1を知る」文化ですから、伝えたいメッセージをすべて言葉に変えて伝えることが当たり前とされています。結果として、意見を述べたり、何かを主張する場合には、そのサポートとして証拠や理由、論拠を一緒に述べることが当たり前です。もちろん、すべての人がそうしているとは思いませんが、少なくともそれが「標準」なのです。「昨夜の映画どうだった」という、なんてことない質問に対しても、英語のネイティブスピーカーは、I liked it because ... と、結論と理由をセットで述べる傾向が強いですし、相手に「なぜ」という質問をすることは、ごく普通の行為であることは間違いありません。ロバート(ヒルキ先生)によれば、英語はspeaker-responsible languageですので、自分のメッセージを相手が理解しなければ、その責任は自分にあります。よって、自分が理解できないことがあれば、それについて相手に確認したり反論したりすることは当然のこととされます。むしろ、聞き手の義務とも言えるでしょう。
よって、日本人が英語を学び、英語を母国語とする人々とコミュニケーションをするならば「相手が理解しやすいように伝える」能力、そして自分が理解できないことについては「相手に質問したり反論したりする」能力も重要です。それらは「英語力」に内包されるべき力です。たまたま日本人の多くには論理や理由をあまり重んじないコミュニケーションをする傾向がありますので、英語を学びながら日本語でそれらの力を伸ばす訓練をすることが、結果として英語力の向上に役立つでしょう。そもそも日本語が下手なら、英語だけ上手になるという現象は想像しにくいですし。
105号 誰かが選ぶ不正解
104号 ナナメに塗る
103号 学び方
メルマガ【ダッシュで奪取】の103号では音声コンテンツを発表しました。
ご感想があればコメント欄に残してくださると嬉しいです。対談相手も読みますので。その音声は、2009年11月にも配布します。具体的な日付は決まっていませんが。
ご感想があればコメント欄に残してくださると嬉しいです。対談相手も読みますので。その音声は、2009年11月にも配布します。具体的な日付は決まっていませんが。

Chairs've been arranged around the table.
There is a mountain in the distance.













⇒ 前田 (02/01)
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