ヒロ前田のTOEIC情報ブログ。TOEICの解答は掲載しません。セミナーや本の紹介はあり。
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- URL 2021.08.03 Tuesday -|TOP
リハーサルと力試し
模試の役割は1つではありません。個人的には、模試の役割は大きく分けて2つだと思っています。1つは「リハーサル」です。試験本番でどうせやることになることをあらかじめ体験しておかないと、ちょっとしたことで動揺したり、何らかの失敗や無駄な行為をしたりする可能性があるからです。これはスポーツや将棋などにも当てはまります。練習試合を1回もせずに大会に出て最高の結果を得ることは期待できませんし、それをアテにすることが良いとは言えないでしょう。

模試のもう1つの役割は「単なるネタ」です。リハーサルをするだけでなく、そこで見つけた自分の弱点を克服したり、語彙など新しい知識を得たりする素材として模試を活用することは有益です。それに、リハーサルを通じて一度体験した素材なので、見直す時の心理的なハードルは低いはずです。

模試をリハーサルに使うのは、なるべく早い時期であるべきだと教えてくれたのは、和田秀樹さんのデビュー作「受験は要領」です。もちろん、それはTOEICの模試ではなく、いわゆる「赤本」です。赤本は模試ではなく過去問です。ボクの高校の同級生の多くは、当時、赤本は最後にやるものだと思っていました。つまり、「日々の勉強を積み重ね、最終ステージに到達したら赤本で力試しをする」という発想です。和田さんは「受験は要領」の中で違うことを書いていました。「いきなり赤本をやれば、ろくな点数は取れない。でも、最初にやれば、自分が1年後に受験する試験の姿をだいたい把握できる。つまり、何に注力して勉強するべきか知ることになる。逆に最終段階で赤本に取り組むと、それまでの勉強が実は無駄だったことに気づくかも知れない。それでは手遅れになる」という趣旨でした。

TOEICにも似たことが言えます。公式問題集や模試に取り組む理由は、そこで良い点を取ることではありません。あくまでも試験本番で成功するためです。ですから、出題傾向や自分の弱みなどを知って、学習方針を決めることに利用するべきでしょう。そのためには、模試は後回しではなく、早めに取り組む価値があります。特に、実力がどうであれ、受験経験の浅い人には当てはまります。

ちなみに、ボクは「受験は要領」で受験勉強の方法を学んだおかげで数学と英語の成績を大きく伸ばしました。「合格とは合格最低点を取ることである」や「最初に解けなかった問題は次に確実に解けるようにする。確実に解ける問題は、速く解けるようにする」など、多くの新鮮な発想を学んだおかげです。大学受験に特化した本ではありますが、勉強の姿勢や発想を学びたい人には推薦できる本です。英語学習ではなく「テスト学習」向けです。ごま書房から出ていた最初の名著は中古品しかなく、なんと最低75円から売られています。

満席になりましたが、7月24日に神崎正哉さんとトークイベントを行います。そのページにある詳細が書かれたPDFファイルの右下に、書籍購入に対する特典が記載されていますが、それはイベントとは無関係です。紀伊國屋書店の新宿本店で配布されている特典に関する記述で、7月7日以降に新宿本店で「究極の模試600問」をご購入いただいた50名様が対象らしいです。

comments(4) URL 2012.07.07 Saturday └ 究極の模試600問TOP
3回チャレンジ法と勘ボックス
「3回チャレンジ法」は、2007年に発表した学習法です。たまたま模試を収録した本で発表したので、一応は模試に対する取り組み方として考案されましたが、模試以外の教材にも理屈は応用できます。根本にあるのは「すぐに正解を見ない」ことと「自分の英語力と解答力を知って、高めることが大事ですよ」ということです。『究極の模試600問』でも詳しく取り組み方を紹介しました。

ただし、自分のスタイルを独自に決めて、守ることを優先してください。個人的な経験として、高校生の時に「基本英文700選」という本を使って、暗唱と英作文の練習をしたことがあります。試行錯誤の結果、効果的な復習法を勝手に考えて実践し続けました。それがベストだったかどうかは知りませんが、少なくとも「ほかに試したどの方法よりもベター」であったことは確実で、英作文でのミスがほとんどなくなったので、当時の自分にとってはベストだったと言えます。TOEICの学習にも同じことが言えると思います。

『究極の模試600問』の中では、読者に迷いが生じないように、もっと単純に書きましたが、改めて「3回チャレンジ法」の手順を示しておきます。

以下は、1つのテストに対する取り組む手順です。『究極の模試600問』に入れた図です。

3kai

・1回目は本番と同じように受験。制限時間あり。
「できること」と「できないこと」を区別することが目的です。2回目の受験があるので答え合わせをする必要はありませんが、何がなんでもしたい場合は「記号だけ」をチェックします。ついでに「項目別正答率」も算出しておきます。ただし、「解説」と「ゼミ生中継」を読まないことが最も大切です。

・2回目はじっくり受験。制限時間なし。
先入観なしで取り組むことが重要ですので、1回目の受験後に答え合わせをした場合は、数日空けてから2回目に取り組むことを推奨します。答え合わせをしなかった場合は、当日でも翌日でもいいでしょう。

時間制限をなくす理由は、現時点での英語力を引き出すためです。リスニングセクションでは、CDを何回聞いても結構です。リーディングセクションでは正解を確信するまで何度も文書を読んでも結構です。パート5と6は何度も読んでもあまり効果はないとは思いますが、パート7では大きな意味があります。「英語力」を無理やり引き出すことが目的ですので、この段階で辞書を使ってはいけません。両セクションに取り組めば、一部の上級者を除いて2時間では終わりません。

2回目の受験では英語力が仮に完全に発揮された場合の自分の限界点を知ることになります。仮に、1回目の受験の時に、時間切れのせいでパート7の文書を2つ解答できなかったとします。そこに10問あったとすると正答数は3問程度でしょう。仮に時間が足りていれば10問を正答できるなら、一応それだけの英語力を持っていることになります。時間があっても5問しか正答できないのであれば、読解力や語彙力や選択肢チェック力など、何かが足りないはずですから、復習のメインターゲットになります。

・復習する
解答が終わったら答え合わせをして、はじめて「解説」と「ゼミ生中継」を読みます。「ゼミ生中継」は3人の受講生も2回目の受験が終わった状態を想定しています。ただし、「解説」と「ゼミ生中継」を読んでいる時に頭の中を支配しているのは日本語ですから「理解の助け」程度に思ってください。ある解説を読んで「ふむふむ。なるほど。分かった」と思っても、それは日本語で書かれた内容を理解したことを意味するのであり、同じ問題に次に英語で出合った時に正しく解答できることを保証しません。もちろん、「解答スキル」については日本語で理解するしかないのですが、それを実践するには英語で練習する必要があります。復習の方法は「オススメ復習法」というページに書きましたが、特に新しいメソッドを紹介したわけではないので、好きなように取り組んでいただければ結構です。メソッドが何であれ、日本語に接する時間より英語に接する時間を長くすることが大事です。

復習期間の目安として3週間と本に書きましたが、期間が重要なのではありません。高校の中間テストと同じように「この冊子が出題範囲だとして、何を試されても正答できると思い込むまで」復習することが大事だと思っています。それだけやっても、どうせ完全にはモノにはなりませんが、せめて「思い込む」までやれば、5割から7割くらいはモノになっているでしょう。言い換えると、復習をおろそかにすると、証明はできませんが、1冊の本から得られるであろうことの数パーセント程度しか学べないでしょう。人間の記憶はその程度だと思われます。もちろん、固有名詞や、一部の再現性の低い語彙は無視できるのですが、それを避けるために「全体の復習を念入りにしない」ことがベターであるとまでは言えません。メリットまで捨てることになるからです。『究極の模試600問』に関しては、ボクが英語で書いたアイテムが多いので、語彙の「レベル」は高くないですから、無駄は少ないと思います。

・3回目は時間制限あり。
復習さえきっちりやれば、3回目の受験はしてもしなくてもいいのですが、やってマイナスではないです。成果を確認する、または覚えたつもりのことをどれだけ忘れるか確認することになるのでプラスでしょう。本番と同じように「リハーサル」のつもりで受験することをお勧めします。これまでの経験から言えば、3回目の受験で全問正答できる人は、1回目の時点で80パーセント以上を正答していた人だけだと想像します。

実際には、本には3つのテストがあるので次の順番でも結構です。

ステージ1:テスト1の1回目 → テスト2の1回目 → テスト3の1回目
ステージ2:テスト1の2回目 → テスト2の2回目 → テスト3の2回目
ステージ3:すべての復習
ステージ4:テスト1の3回目 → テスト2の3回目 → テスト3の3回目

この順番が有効なのは、1回目の受験後に答え合わせをする場合です。その場合は、テスト2とテスト3をやっているうちにテスト1のことをほとんど忘れるでしょうから。答え合わせをする場合でも、直後に2回目に取り組まないのであれば、テスト1の1回目の後に2回目に進んでもまったく問題ありません。テスト1の1回目の後に答え合わせをしない場合は、1つのテストに接してから次に接するまでのブランクが短くても先入観があまりないので特に支障はありません。要するに、あるテストの1回目に取り組んでから、先入観をあまり持たない状態で2回目に取り組みさえすれば順番はどうでもいいですよ、ということです。

「3回チャレンジ法」と併用するツールとして「勘ボックス」付きマークシートがあります。『究極の模試600問』には「勘ボックスあり」と「勘ボックスなし」を入れましたが、どんな場合でも「あり」を使って損しないと思いますので、たくさんコピーしておくことをお勧めします。試験本番のマークシートには「勘ボックス」はありませんが。

「3回チャレンジ法」は、あくまでも1つのアプローチ法です。いろいろ試しながら自分の学習スタイルを決めることが大切であることを忘れないでください。とりあえず何かをマネしたい場合は、そのモデルとして「3回チャレンジ法」を実践してみてください。実践して初めて気づくことがあるはずですので、そこから独自のスタイルを作っていってください。

comments(9) URL 2012.06.03 Sunday └ 究極の模試600問TOP
世界観
版元であるアルクのfacebookページで『究極の模試600問』の編集者が「3つの数字」について説明をしていました。「重さが約1キログラム」「解答と解説が3分冊」「1200問以上」の3つです。

「1200問以上」の意味は、模試を3セット編さんするために検討したアイテムの総数を指しています。実際、どれだけの数のアイテムに目を通したか正確には覚えていません。2011年8月と12月、2012年2月に実施したモニタリング試験を兼ねたセミナーの告知でも発表していた通り、少なくとも1200問以上のアイテムを読んだことは間違いありません。基本的に、版元から提供された1200問以上のリソースがあって、それらをチェックしてこの企画に使うものを選定しつつ、自分で書いたアイテムも多くありました。

1セットあたりの設問数は200ですから、3セットで600です。そのうち、自分で英語で生み出した設問の数は、おそらく200を超えていると思います。また、新たに生み出した会話やトーク、文書などは全パートにあります。選択肢は3セット合計で2310あります。そのうち、たぶん1500以上は自分で書きました。ですから、収録されている600の設問と2310の選択肢すべてをボクが書いたわけではありませんが、TOEICが作っている「世界観」を飛び越えたトピックやコンテンツは1つもありません。

TOEICに詳しい方ならご存じの通り、TOEICが作っている世界は基本的に平和です。殺人事件や大災害は起きませんし、病院は登場しますが重病患者はいません。ところが、第170回の公開テストに「閉店」をメインテーマにした文書が出題されました。あれは2011年にも出題された文書で、当時、それを知ったボクは驚きました。でも、本物のTOEICがそんなことをするなら、教材の中に少しだけ収録しても許容されるだろうと思って、この本には1問だけ閉店をトピックにしたパート5のアイテムを入れました。ただし、「従業員が解雇される」といった直接的な表現は使いませんでした。実は、アイテム選定用リソースの中には、解雇をメインテーマにしたパート6の文書がいくつかあったのですが、それらは全部「ボツ」にしました。

一方で、図書館の話や、建設工事の見積の話、本屋さんの話、使えない駐車場の話、ホテルを予約する話、レストランをレビューする話、講演会や展示会の話、広告代理店の話、映画の話、社員研修の話、法律事務所の話、成功するビジネスパーソンの話、企業合併の話、返金の話、納品された商品が間違っている話、飛行機にまつわるトラブルの話、クーポン券を獲得する話など、TOEICが扱っているトピックを再現しているアイテムはたくさん採用し、自分で改良したり選択肢を作ったりしました。コンテンツの「再生屋」として努力したつもりです。

著者として活動している方や、講師、学習者にアドバイスを提供する立場にある方なら賛同していただけると思いますが、TOEICの世界観に注目することは非常に重要です。なぜなら、世界観を守ることにより、そこに登場する語彙やフレーズが本物のテストに類似するからです。世界観を間違えると、TOEICが試さない語彙が混ざってしまいます。「英語学習教材」としてはそれでも有益ですが、TOEIC教材としては、その部分が無駄になってしまう可能性があるのです。もちろん、公開テストそのものが少しずつ変化するので「倒産により企業が資産を清算する」ことを意味するliquidateといった語彙が新たにTOEIC単語として認定される資格を得る可能性は今後もありますが、それは本当にレアケースです。

残念なことですが、TOEICの世界観を熟知している方が書いた教材と、そうでない方が書いた教材が混在しているのがこの市場の現実です。ですから、プロの中では、例えば神崎正哉さんや花田徹也さん、TEX加藤さん、森田鉄也さん、早川幸治さんなど深いレベルでTOEICを知っている人々が書いた教材を使うことは「はずさない」ためには正しい選択だと思っています。こう書くことで、彼らもきっと尋常ではない努力を続けてくれるでしょう。また、プロじゃなくてもプロ同等の高い水準で世界観に関する情報を発信している「みかん星人」さんや「あ〜る」さんのような方々もいます。それぞれ、立脚点に多少の差はありますが、TOEICに関わる学習者のために努力しています。ボク自身、高いレベルでリサーチを続けなければ、あっという間に差をつけられると危惧しているので今後も楽しみながら真剣に学び続けていきます。

comments(5) URL 2012.06.03 Sunday └ 究極の模試600問TOP
別冊の取り外し方とフォント
『究極の模試600問』の「別冊」は3つのテストそれぞれの「解答と解説」です。別冊は本体から取り外すことが可能です。全体の重量は表紙とオビを除き、確か1016グラムです。軽くて薄い紙を使ったものの、たぶん業界で最も重たい本です。「解答解説」が3分冊になっているので、バラバラにすると逆にかなり軽くてクニャクニャします。1冊あたり約190グラムだそうです。

別冊をバラバラにする際の注意点があります。別冊を本体と平行に引っぱると、なかなかバラせません。バラす前には気づきにくいですが、別冊は本体と2個所でしっかり止めされているからです。よって、上半分だけを引きちぎるつもりで、勢いよくななめにバシュッと引っぱってから、その後で下半分をシュパッと引っぱるとバラしやすいです。ためらうことなく全力でやってください。糊付けされているわけではないので、ていねいにゆっくり外そうとすると、ホチキスが中途半端に壊れます。

取り外し失敗例01.jpg
中途半端に壊れたホチキス

ところで、「別冊」とは「本体」があるからこその「別冊」です。この模試の仕様を検討していた時期に、問題冊子と解答冊子すべてをバラバラにして、計6分冊にすること、そして、問題冊子それぞれに水色のシールを貼ることを提案しましたが、実現しませんでした。なぜなら、そんなことをすると「本体」が存在しなくなるため、全体を包むパッケージが必要になるからです。レターサイズの6冊すべてを、例えば箱に入れて流通させることは理屈としては可能です。可能ですが、そんな巨大な箱入り商品を作っても、価格が上がるうえに、書店に流通させても置く場所がほとんど確保されない可能性が高く、あまり消費者の手に届かない商品になると判断されました。

ボクが提案した中で、採用されたいくつかのアイデアの1つは「ページ数が戻ること」です。それぞれの問題冊子には「ページ数」が小さく印刷されていますが、それとは別に「そのテストの中でのページ番号」もあります。テスト1もテスト2もテスト3も本物のテストと同じようにページ番号が振られています。そのフォントの種類と大きさも公開テストで使用されているものに合わせました。

フォントと言えば、2012年1月の公開テストからパート1以外の全パートで、Directionsを含めて、設問と選択肢、問題文のフォントが全面的に変更されました。3月も、その新フォントが採用されていたので、この本は新フォントに合わせてあります。1月と3月の公開テストは、全力で隅々のフォントをチェックをしながら受験していました。

また、2011年10月の公開テストからは、シングルパッセージが4問付きの場合に、それらが左右2問ずつ並べられる場合と、左に3問、右に1問が配置される場合が混在する現象が起き始めました。文書の「外枠」がないケースも公開テストではしばしばあります。このように、99.9パーセントの読者が気にもしない細部も本に反映させました。実質的なメリットはほとんどありませんが、リアル感のあるテストを作るという大方針があったので、徹底的にこだわって作りました。

comments(3) URL 2012.06.03 Sunday └ 究極の模試600問TOP
テストの性格
『究極の模試600問』に収録されている3つの模試は性格が異なります。本の中でも説明されている通り、リーディングセクションを解答するために必要であろう時間が異なります。簡単に言えば、以下のような違いがあります。

テスト1 公開テストと比べて少し短い時間で解答可能
テスト2 公開テストとほとんど同じ
テスト3 公開テストより長い時間がかかる

「公開テスト」は、2010年以降に日本で実施されたものを指します。そして、公開テスト自体にも多少のブレがあるため、これらは大まかな目安です。

公開テストを何度も受験している方は、テスト1を「軽め」と感じるでしょう。2011年8月にモニタリングを実施した際に「通常なら10問くらい塗り絵になるのに今回はギリギリ間に合った」とか「普段は5分ほど余るけれど、今回は10分以上余った」といった声が多くありました。それを受けて「重たくなるように」コンテンツを変更しようかと思いましたが、やめました。なぜなら、TOEIC受験者の過半数はIPテスト受験者だからです。

多くの方が知っている通り、IPテストで使用されているフォームと公開テストのフォームは数年のずれがあります。リーディングセクションに注目すると、当時と現在を比べると全問解答に必要な(欲しい)時間が異なるのが現実です。「難易度が違う」と表現できるかどうかはともかく、所要時間に関しては差があると言って差し支えないでしょう。これらの事情を考慮してテスト1のリーディングセクションの負荷は修正しませんでした。ただし、「簡単なテスト」になっているわけではありません。モニタリング実施時点で公開テストのスコアが700点くらいの方々がギリギリ全問解答できたくらいの負荷でした。そして、990点取得経験者の多くは「簡単だ」と感じつつ、数問をミスする人が多かったです。

テスト2は、模試3としてモニタリングを実施したテストです。モニターから集まった声から判断しますと、2010年以降の公開テストに似ています。つまり、リーディングセクションをすらすらと全問解答するのは簡単ではないでしょう。一部の上級レベルの方は「いつも通り10分余った」「特に違和感がない」と感じることでしょうし、初中級の方にとっては「普段と同じようにきつい」と感じられるテストだと思います。また、IPテストだけを受験する方にとっては、近い将来のIPテストを先に見るようなテストだと思います。

テスト3は、模試2としてモニタリングをしたテストです。ほんの少しだけ「未来」を予測して編さんしました。もちろん、理不尽なレベルではありませんが、リーディングセクションの負荷は大きめです。何よりも大事にしたのは「模試は教材であり、そこから学びを得ることが大切である」というこだわりです。つまり、たとえ多くの方が塗り絵だらけになったとしても、コンテンツを利用して勉強すれば、本番で成果が出るように模試を設計したつもりです。例えば、パート7で解答の鍵を握る重要な単語を、公開テストのパート5に出題されそうな単語に一致させておくとか、パート7で不正解となっている選択肢の中に、公開テストでは正解となる重要表現を混ぜておくなどの工夫を意識的に行いました。また、パート7のテキスト量を少し多めにしたり、「ていねいな読解」を求める設問を多めにしたりしました。

以上のように、3つのテストには意図的な差があります。そして、解説と「ゼミ生中継」は「3回チャレンジ法」における2回目の受験以降に読まれることを想定して書かれてあります。教材としての良し悪しを判断する立場にあるのは読者の皆様ですから、これらの意図があることを一応お伝えしておきます。

comments(2) URL 2012.06.02 Saturday └ 究極の模試600問TOP
インタビュー動画3つ
PV以外にインタビュー動画もあります。版元が撮影と編集をしたもので、一部の大型店舗で利用されています。

1112.jpg
(写真をクリックするとYoutubeに飛びます)

紀伊國屋書店の京橋店と梅田本店


新宿本店
20120531_kinokuniya_shinjuku.jpg

2012年6月中旬に『新公式問題集』のVol.5が発売されるようです。アイテムごとの「解説」をあまり必要としない方や、復習方法を自分なりに確立している方、独学に慣れている方、そして世のTOEIC講師全員に購入をお勧めします。

comments(0) URL 2012.06.01 Friday └ 究極の模試600問TOP
面積と厚みと特典
1年がかりで、ようやく完成した『TOEICテスト 究極の模試600問』は、早ければ2012年5月30日に書店に入荷され、5月31日に店頭に並ぶそうです。しかしながら、発売前の予約や書店からの注文数が初版印刷部数に占める割合が大きいため、発売と同時に品切れになるお店やオンラインショップがあるそうです。

先日、紀伊國屋書店の新宿本店を訪問して話を聞いたところ、初回入荷数が3桁らしいです。3桁というのは業界の水準を上回りますので、早めに入手するには紀伊國屋書店の新宿本店など、極端に大きい書店に行かれることをお勧めします。近郊の方に限られますが。

発売前にこのような状況になったので、すでに第2刷が6月中旬に刊行されるらしいです。まだ発売前ですから、言うまでもありませんが、たくさん売れているという意味ではありません。たくさん流通しても売れなければ返品されますので、半年後に版元の倉庫が在庫の山となる可能性があります。在庫を保管するにはコストが発生します。特に、この本は面積が大きくて厚みがあるので理論上の保管料は大きくなります。

どれくらい大きくて厚いかは、これらの写真を見れば、一目瞭然です。

**

アメリカのレターサイズで280mm×216mmです。通常のコピー用紙に印刷すると、こんなに厚みがあります。尋常ではありません。もちろん、これは片面印刷ですから実際はこの半分です。

*

それを、通常は本に使用されないであろう特注の薄い紙を使うことで、このような厚みになりました。薄い紙になっている理由は「異常に分厚い本にするのを避けるため」と「公開テストの紙の薄さに似せるため」です。

この本の読者には、2つの特典があります。

1つはレクチャー音声です。版元のショップに「音声レクチャーのダウンロードは6月5日より開始予定」という記述があります。これは、本の中の「オススメ復習法」というページと連動しており、模試に「3回チャレンジ法」で取り組んで答え合わせを終えた状態を想定しています。よって、先に音声を聞くと、いくつかの問題の正解が分かってしまいますので、ご注意ください。受験技術は話していません。模試に収録されている素材と深く接するいくつかのアイデアと、ボクの音読の実演を録音した55分くらいの音声です。学習経験が豊富な方にとっては特に目新しい内容ではありませんし、基本的に大事なことは本に書きましたので、どうしても欲しい方に聞いていただければ結構です。

もう1つの特典は、リーディングセクションの音声です。これもダウンロード形式で配布しますが、早くても7月になるでしょう。また、「模試の正解がモロバレ」になるので、早く提供してもメリットは小さいと判断しました。さらに、リーディングセクションのコンテンツはリスニングセクションよりかなり多いため、録音と編集に膨大な時間がかかります。ですので、ゆっくり作ります。完全に無料で配布しますのでご容赦ください。

関連リンク

ビデオ(youtube)|商品説明(アマゾン)|版元のショップ(アルク)

comments(6) URL 2012.05.18 Friday └ 究極の模試600問TOP

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