疑問76 Part 1 抽象化による不自然な表現
基本的にPart 1に登場する正解の選択肢は、写真をストレートに描写していますが「不自然な表現」と呼べそうなものまで出題されることがあります。中級者と上級者を、または、上級者と超上級者を区別するためのアイテムだからです。
2009年から出題されるようになったshelterという言葉が典型例です。テントやパラソルなど風雨を防ぐための物体をshelterと表現することは可能ですが、それぞれに、tentとparasolという言葉が存在します。
実際のテストに出た写真に似ている写真を、あるネイティブスピーカーに見せたところ「これはshelterと呼べるよ」とのことでした。ですので、A shelter has been set up outside.という選択肢を作り、別のネイティブスピーカーでありプロの校正者に見せたのです。すると彼は「誰もそんな描写をしない」と言いました。
「これをshelterと呼べるか」と尋ねられれば「呼べる」のでしょうが「そういう描写をするか」と尋ねられれば「そんな人はいない」のです。でも、Part 1には出題されます。
この背景には、アイテムライティング(問題作成)の技術である「抽象化による難易度操作」が関係しています。自動車のことを英語でA carと言えることを知っていても、A vehicleと言えることを知らない受験者はいるはずです。後者は前者に比べて抽象的な表現で、一般的な日本人はcarより後に学びますから相対的には難易度が高い語です。よって、vehicleを使えば正答率は下がるはずです。
逆に、抽象化によりアイテムの難易度を下げることもできます。工事現場でオッサンが変な工具を使っていたら緊張するはずです。Look at the picture ...が流れているときに「こ、これを英語で何て言うんだ。知らん。知らんぞ。オッサン教えろ」と。でも、たいていはA toolとかA machineなどが聞こえてきます。これも抽象化です。
日本語で考えても理解しやすいでしょう。TOJICという「国際コミュニケーションのための日本語テスト」に写真問題があるとします。女性が電話で話しています。
(い)女性が電話を切ろうとしている
(ろ)1台の電子機器が机の上にある
(は)省略
(に)省略
(ろ)が正解ですが、日本人は日本語でそんな言い方をしません。
抽象化そのものは語彙力を試すために有効でしょうが「誰も言わない、誰も書かない表現」をテスト問題に出す必要性は低いはずです。にもかかわらず実際に出題されているのは、Part 1が「強引に」中級者と上級者、または、上級者と超上級者を区別しようとしているからだと容易に推測できます。そして、TOEICがマークシート式のテストであることも関係しています。4つの選択肢の中に正解が1つ必要なので、他の3つが絶対に不正解であれば、その「誰も言わない、誰も書かない表現」が正解です。筆記式か口頭式であればそんな表現は減点されるかも知れません。
Part 1のことだけを、または、スコアだけを重視するのであれば「誰も言わない、誰も書かない、でもテストには出る表現」を知ることは有益であり正しい作戦です。テスト全体の一部でしかありませんが。
2009年から出題されるようになったshelterという言葉が典型例です。テントやパラソルなど風雨を防ぐための物体をshelterと表現することは可能ですが、それぞれに、tentとparasolという言葉が存在します。
実際のテストに出た写真に似ている写真を、あるネイティブスピーカーに見せたところ「これはshelterと呼べるよ」とのことでした。ですので、A shelter has been set up outside.という選択肢を作り、別のネイティブスピーカーでありプロの校正者に見せたのです。すると彼は「誰もそんな描写をしない」と言いました。
「これをshelterと呼べるか」と尋ねられれば「呼べる」のでしょうが「そういう描写をするか」と尋ねられれば「そんな人はいない」のです。でも、Part 1には出題されます。
この背景には、アイテムライティング(問題作成)の技術である「抽象化による難易度操作」が関係しています。自動車のことを英語でA carと言えることを知っていても、A vehicleと言えることを知らない受験者はいるはずです。後者は前者に比べて抽象的な表現で、一般的な日本人はcarより後に学びますから相対的には難易度が高い語です。よって、vehicleを使えば正答率は下がるはずです。
逆に、抽象化によりアイテムの難易度を下げることもできます。工事現場でオッサンが変な工具を使っていたら緊張するはずです。Look at the picture ...が流れているときに「こ、これを英語で何て言うんだ。知らん。知らんぞ。オッサン教えろ」と。でも、たいていはA toolとかA machineなどが聞こえてきます。これも抽象化です。
日本語で考えても理解しやすいでしょう。TOJICという「国際コミュニケーションのための日本語テスト」に写真問題があるとします。女性が電話で話しています。
(い)女性が電話を切ろうとしている
(ろ)1台の電子機器が机の上にある
(は)省略
(に)省略
(ろ)が正解ですが、日本人は日本語でそんな言い方をしません。
抽象化そのものは語彙力を試すために有効でしょうが「誰も言わない、誰も書かない表現」をテスト問題に出す必要性は低いはずです。にもかかわらず実際に出題されているのは、Part 1が「強引に」中級者と上級者、または、上級者と超上級者を区別しようとしているからだと容易に推測できます。そして、TOEICがマークシート式のテストであることも関係しています。4つの選択肢の中に正解が1つ必要なので、他の3つが絶対に不正解であれば、その「誰も言わない、誰も書かない表現」が正解です。筆記式か口頭式であればそんな表現は減点されるかも知れません。
Part 1のことだけを、または、スコアだけを重視するのであれば「誰も言わない、誰も書かない、でもテストには出る表現」を知ることは有益であり正しい作戦です。テスト全体の一部でしかありませんが。
疑問22 Part 1 写真問題の選択肢は微妙なことがある
Part 1(写真問題)は比較的やさしいです。
ただし、ときどき微妙なものがあります。それは「3つの選択肢が明らかに不正解だから残った1つが正解」という根拠でしか正解を選べないことがあるからです。いわゆる消去法に頼る場合です。
ほとんどの問題では、正解の選択肢は明らかに正解です。でも、こんなこともあり得ます。
(A)が流れたときに気が散って聞き逃した。
(B)を聞いたら明らかに不正解だと判断できた。
(C)も簡単に不正解だと判断できた。
(D)なんか、主語が非常識だった。
これなら(A)が正解です。これが消去法。3つを消去できます。ところが・・・
(A)を聞いたら微妙だった。 さぁ、どうする。自転車の横で作業服のオッサンが働いている。
(A) He is repairing the bike.
「オイオイ。修理してんのか? ビミョ〜」
緊張しますね。こういう場合は祈るのです。
「頼む。ほかの選択肢、聞き取りやすいのを頼む!」
(B)(C)(D)を聞いて明らかに不正解だと判断できれば問題なく(A)を選びます。にしても、(D)まで聞いてから判断できるということです。(C)を少し聞き逃して迷うと大変。でも悩まずに捨てるしかないです。
ただし、ときどき微妙なものがあります。それは「3つの選択肢が明らかに不正解だから残った1つが正解」という根拠でしか正解を選べないことがあるからです。いわゆる消去法に頼る場合です。
ほとんどの問題では、正解の選択肢は明らかに正解です。でも、こんなこともあり得ます。
(A)が流れたときに気が散って聞き逃した。
(B)を聞いたら明らかに不正解だと判断できた。
(C)も簡単に不正解だと判断できた。
(D)なんか、主語が非常識だった。
これなら(A)が正解です。これが消去法。3つを消去できます。ところが・・・
(A)を聞いたら微妙だった。 さぁ、どうする。自転車の横で作業服のオッサンが働いている。
(A) He is repairing the bike.
「オイオイ。修理してんのか? ビミョ〜」
緊張しますね。こういう場合は祈るのです。
「頼む。ほかの選択肢、聞き取りやすいのを頼む!」
(B)(C)(D)を聞いて明らかに不正解だと判断できれば問題なく(A)を選びます。にしても、(D)まで聞いてから判断できるということです。(C)を少し聞き逃して迷うと大変。でも悩まずに捨てるしかないです。
疑問3 Part 1 新TOEICでやはり変わった。第128回公開テスト分析
新TOEICの Part 1 は激変か? 第128回公開テストを分析。
2007年1月14日の第128回TOEIC公開テストの Part 1 はすごかったです。
1. 10枚の写真のうち、9枚が人物の写真
前回(第127回TOEIC公開テスト)に続いて9枚。しかも・・・
2. 9枚の人物写真すべてが「1人」の写真
つまり男性が1人または女性が1人だけが写っている写真。さらに、ファクスとか電話とかパソコンなどの前に立っている人がほとんどです。
これは「複数の人の相対的位置関係」を問わないことを意味します。つまり、
They are standing side by side. などが出なかったということ。
なお、主語は1つだけはThe manでしたがが、ほかはHeか、Sheでした。
3. 残り1枚には車が写っていたが・・・
駐車場に多くの車がありました。前回は出なかった「乗り物」です。しかし、正解は車に関係ありませんでした。
2007年1月14日の第128回TOEIC公開テストの Part 1 はすごかったです。
1. 10枚の写真のうち、9枚が人物の写真
前回(第127回TOEIC公開テスト)に続いて9枚。しかも・・・
2. 9枚の人物写真すべてが「1人」の写真
つまり男性が1人または女性が1人だけが写っている写真。さらに、ファクスとか電話とかパソコンなどの前に立っている人がほとんどです。
これは「複数の人の相対的位置関係」を問わないことを意味します。つまり、
They are standing side by side. などが出なかったということ。
なお、主語は1つだけはThe manでしたがが、ほかはHeか、Sheでした。
3. 残り1枚には車が写っていたが・・・
駐車場に多くの車がありました。前回は出なかった「乗り物」です。しかし、正解は車に関係ありませんでした。
疑問2 Part 1 新TOEICで、Part 1は変わったか?
⇒ 前田広之 (09/19)
⇒ やすべえ (09/19)
⇒ 塩見賢人 (10/28)
⇒ 青年海外協力隊 (02/19)
⇒ ken (08/25)
⇒ 前田 (08/25)
⇒ ken (08/25)
⇒ 前田 (06/15)
⇒ AKKO (06/14)
⇒ 前田 (05/11)